幻想の息吹。生命を描く現代日本画展|9月20日(土)〜10月5日(日)
Empathy Galleryにて2025年9月20日(土)から10月5日(日)まで、『幻想の息吹。生命を描く現代日本画』展が開催されます。
現代の日本画は、古来の技法と現代の感性が交錯する、静かで力強い世界。
この新たな潮流を牽引する4名の女性作家、坂本藍子、板垣夏樹、藤原宇希子、蒼野甘夏が集う展覧会「幻想の息吹、生命を描く現代日本画」は、まさにその最前線に触れる貴重な機会です。
彼女たちが織りなす作品群には、それぞれの内に宿る詩情が深く響き合います。それは、単なる技巧の披露ではなく、生命や自然、そして心象風景への敬虔な眼差し。本展は、観る者の内なる世界へとそっと語りかける、静謐な対話の空間を創出します。
幻想の息吹、生命を紡ぐ
日本画の伝統を継承しながらも、自らの視点で自然や生命、物語を再解釈する4人の作家。その筆致は、時に繊細な光を放ち、時に奥深い闇を湛えます。水や空気といった根源的な要素から、神話や幻想が息づく世界まで。描かれるのは、私たちの世界に潜む、見えない豊かさ。
彼女たちの作品は、物質と精神、現実と非現実の境界を揺さぶり、新たな美の在り方を提示しようとする試み。それぞれの世界が共鳴し合い、観る者の心に、深く、しなやかな息吹を吹き込みます。
出展作家 坂本藍子 板垣夏樹 藤原宇希子 蒼野甘夏 (順不同)
ONBEATが注目するポイント
ONBEATがこの展覧会で特に注目するのは、日本画の「いま」を形作る、女性作家たちの存在そのものです。
日本画の「いま」を刻む女性たち
本展の作家たちは、古くから伝わる日本画の伝統を、現代的な感性で再構築します。岩絵具が放つ微細な輝き、箔がもたらす装飾性、そして繊細な線描。伝統的な技法を自在に操りながらも、彼女たちの視線は、個の内面や、現代社会に生きる私たちの心へと向けられています。
伝統と革新が交錯する、現代日本画の最前線
日本画の革新は、伝統の徹底的な理解から生まれます。日本古典絵画の「装飾性」や「物語性」といった要素を現代の視点で捉え直し、新しい表現を追求する。それは、決して過去を否定するのではなく、敬意を払いながら、未来へと接続する営み。揺るぎない探究心が、新しい日本画の地平を拓きます。
共鳴し合う4つの世界
個々の作品に宿る「静謐さ」「物語」「生命」「女性性」といったテーマ。これらがひとつの空間で交わり、響き合う展示構成も見どころです。作家それぞれの個性が、互いを引き立て合い、来場者の想像力を刺激する。軽やかさ、鋭さ、そして奥深さ。三つの質感が交錯する、特別な体験となるでしょう。
4つの世界、4つの詩情
坂本藍子
青と黒を基調とした画面は、瞑想的な静けさそのもの。水や大気の奥底に潜む、生命の根源。その本質を、繊細な色彩と構成で描き出す、心象の風景。
板垣夏樹
日本古典絵画が内包する「装飾性」と「物語性」。その断片を再構築し、幻想的な動植物や少女を描き出す。見る者の内なる物語を呼び覚ます、夢のよう。
藤原宇希子
画面上にビオトープを創り出すという、壮大な試み。画中の生き物たちに込められた、作家の深い願い。生命の豊かさが、画面いっぱいに満ち満ちます。
蒼野甘夏
みずみずしく、しなやかな強さを体現する女性たち。憧れや夢を映し出すそのまなざしは、観る者の心に、希望の光を灯すよう。
本展は、現代日本画の多様な広がりを、4つの異なる視点から感じられる貴重な機会。彼女たちの作品世界を巡る旅は、きっと、私たち自身の内面に新たな風景をもたらすことでしょう。
開催概要
幻想の息吹。ー生命を描く現代日本画ー
会場:Empathy Gallery
住所:東京都渋谷区神宮前3丁目21-21 ARISTO原宿2階
会期:2025年9月20日(土)ー10月5日(日)
開館時間:11:00ー19:00(最終日17:00まで)
休館日:月曜日