サイズ | 9.0×27.0×20.0 |
|---|---|
制作年 | 2023 |
素材 | 漆、麻布、金粉、銀粉、鮑貝 |
漆を扱い、制作する感覚は生きものを扱っているような感覚です。樹液である漆は取れた場所や時期、精製方法によって性格が変わるので、漆ごとの性質を見極め制作しています。半ばとり憑かれたように、美しい造形を目指して日々制作をしていますが、何度も何度も砥石で漆下地を研ぎつけることで、洗練された美しい曲面を作ることができます。思い描く造形を表現する上で、私のそうした性格は漆の性質と相性が良く、研いでは下地をつけ乾かしを繰り返し、少しずつ工程を進め美しい曲面造形の精度を上げてゆく作業は、苦労を伴いますがそれ以上に完成した時のよろこびが勝っています。私が制作する作品は、感覚的なイメージを表現していますので、そこに静かな情景を感じ取ってもらえたら大変うれしく思います。
1986年埼玉県生まれ。2014年東京藝術大学美術研究科修士課程漆芸専攻修了。現在、日本工芸会準会員、東京藝術大学漆芸研究室教育研究助手。
2025年「新井 寛生 漆芸展 −光の階調−」(日本橋高島屋 / 東京)にて個展開催。2014年 杜賞・漆工奨励賞、2022年第39回日本伝統漆芸展新人賞、第62回東日本伝統工芸展東京都知事賞(最高賞)、第69回日本伝統工芸展新人賞、2023年国際漆展・石川2023大賞など受賞多数。Museum f?r Lackkunst(ドイツ)に作品収蔵。

