サイズ | 10.5×14.0×14.6cm |
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制作年 | 2024 |
素材 | ガラス |
私の作品は、日本固有の美意識「物の哀れ」―生命の儚さや時の移ろいに対する深い共感と静かな賞賛―を、ガラス素材を通じて現代的に表現しています。日常に潜む不完全さや、時の流れとともに変化してゆくかたちに美を見いだし、その儚い美を熱によってかたちを変えるガラスの特性を通して、移ろう瞬間の感覚として形にしています。
制作の着想は、ふと目にした自然の造形です。誰にも気づかれず、そっと美しい形を成す雪や霜が、水滴となって一瞬で消えゆく情景でした。その一瞬の美しさと儚さに心打たれ、「消えゆくものの記憶」をガラスに留めようと試みています。美しく儚い一瞬の感情と痕跡を、永続性と脆さをあわせ持つガラスに託し、時を越えた感覚の共有を目指します。
1994年兵庫県生まれ。
2022年神戸芸術工科大学大学院芸術工学研究科芸術工学専攻博士(芸術工学)学位取得。
2019年「ART Taipei」(台湾)、2024年「新竹市玻璃藝術節-晶采?緻」(新竹市玻璃工藝博物館 / 台湾)などグループ展やアートフェアに多数参加。2021年国際工芸アワードとやま入選、2023年第9回現代ガラス展in山陽小野田隈審査員賞、Cheongju International Craft Competition AEROK賞、2024年新竹市金玻奨単一素材部門優秀賞など受賞多数。2021年「ガラス工芸作家100人 現代日本の精鋭たち(別冊炎芸術)」掲載。

