サイズ | 100.0×100.0cm |
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制作年 | 2021 |
素材 | パネル、油彩 |
私が描く花や身体は、自然や個人の姿を起点にしながら、時間と記憶の堆積を可視化するための媒介です。筆を重ねるうちに、像は揺らぎ、ほどけはじめ、鮮やかな色や厚く塗られた筆致へと変容していきます。その画面は日々を描き残す空間として息づきはじめ、心の奥に残る微細な感覚や、過ぎ去った時間の余韻をも抱え込んでいきます。
油絵の具を重ね、削り、拭き取り、また描く―
その反復は、表象と非表象、存在と不在の間を往還する作業です。そこに立ち現れるものは、身体のジェンダー的規定や花の象徴性を超えた存在そのものを探る試みでもあります。
線や色の揺らぎには、私自身の身体感覚や呼吸が刻まれています。その複雑な痕跡のなかに、どのような「現在」があるのか―。私はその問いに視線を澄ませながら、目と筆を通して見続けています。
1982年東京都生まれ。
2007年東京芸術大学大学院美術研究科修了。
2022年「lNNER TEXTURE」(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY / 東京)、2023年「Silent Tales」(ミヅマアートギャラリー / 東京)、2024年「EMBRACE」(六本木ヒルズ A/D GALLERY / 東京)、「Magnolia denudata」(KATSUYA SUSUKI GALLERY / 東京)、「Multilayered emotions」(日本橋三越コンテンポラリーギャラリー / 東京)、2025年「Dim warmth」(THE PLUG / 東京)など個展多数。グループ展多数参加。

